2022年8月6日土曜日

7月正置友子氏講演会のご報告

昔話を考える
―「白雪姫」の物語と絵本を中心に―
   ジェンダーの視点も入れて考えてみる
         講師 正置 友子氏 (絵本学研究所主宰)

 日時 2022年2月13日7月9日(土)

 正置友子氏講演会のご報告               2022・7・9開催

 講演会前日の安倍元首相銃撃事件に触れるところから講演会は始まりました。その後ロシアによるウクライナ侵攻に関わってロシア・ウクライナの絵本の紹介がされました。特に『てぶくろ』のパワーポイントを使っての読み聞かせと絵の読み解きは参加者をひきつけました。

 「白雪姫」のジェンダーの視点からの読み解きは昔話を改めて自分の頭で考えることの必要性に気づかせられました。正置先生は「当たり前のベールをはがす」ために勉強することが必要だと言われています。「白雪姫」の語りを聞き、20冊あまりの絵本を見ることができました。子どもに手渡す「話」を自分の目で、頭でしっかり読んでみませんか。

参加者のアンケートから一部抜粋 

〇『てぶくろ』の絵本を読み解いていただいたのはとてもよくわかり面白かったです。<国と国の戦争による衝突>よりも<文化の交流>で理解しあえる、そのためにも他の国の絵本に親しむことは世界平和の第一である、のことばは共感です。よい絵本との出会いを子どもたちと共に、を願って活動していきたいです。

〇毎回だが、よく知っているつもりの『てぶくろ』の絵も気づかないでしっかり読めていないことに気づきました。

〇「ロシア文化まで否定するのは間違っている」とつい先日『魔法の馬』を語ったあとに高松の国語授業おはなし会で言ったところです。タイムリーな話題についてのお話はよかった。

〇昔話は時代と国を背景に語られていて、読み手はそれを踏まえて読み語られなければならないことを細かく実証してくださってありがたいです。

〇昔話を読むとき、いろんなことに疑問を持ちながら読むことが大切なことだと先生のお話をお聞きして強く思いました。たくさんの「白雪姫」の絵本を見せていただき、興味深かったです。

〇「白雪姫」におけるジェンダー意識の考察は自分でも思ったことがあり、それを言葉にして聞けたことが貴重な体験だった。正置先生の深い思考と言葉はいつも新しい視点を教えてくださるので勉強になります。まだまだ学び続けたいと思いました。

〇白雪姫をジェンダーの視点では、このように細やかにたくさんの文献から提案していただき驚いています。今日はまだ消化できませんが、資料をじっくりと読み返して、少しずつ自分なりに考えて深めていきたいと思います。お話を語る際にしっかり考え分析して研究することも必要になってくると先生のお話から感じ入りました。自分の目でその話に向き合って読んでいきたいと思いました。

〇先生がレジュメに書いておられる「女性が自分の内側に潜んでいるジェンダー観にもっと意識的になることが世の中をよくすることにつながる気がする」と。知らず知らずの間に自分の中におかしいと感じない意識が刷り込まれているのだと…。しっかり考えないといけないですね。