子読教最後の講演会を2024年10月13日、大勢の参加者のもと、盛会のうちに終えました。アンケートには、閉会を惜しんでくださる声や、これからも勉強していく意欲になったという声をいただきました。今までのご参加、ご支援ありがとうございました。
以下、代表・正置友子氏の講演会での最後の文章です。
これからも、だれかがどこかで子どもの本を広めていっていることに確信をもち、HPの更新を終えます。
(子読教・運営委員一同)
➔ 2024年10月13日、最後の子読教の会での最後の文章(下記と同じ)
2024年10月13日、最後の子読教の会での最後の文章
子どもの読書と教育を考える会は、
1987年に鳥越信先生(1929年12月4日―2013年2月14日 83歳)が有志の方々と始められました。鳥越先生のご提唱とご尽力で設立された大阪国際児童文学館は、世界に誇る子どもの本・文化の殿堂でしたが、真の文化を理解しない為政者によって閉館に追い込まれました。しかし多くの方々の支援のおかげもあって、文学館の70余万点は、大阪府立中央図書館に所蔵されており、今も子どもの本の資料として宝物であり、子どもの本の研究者にとっては、貴重な資料の貯蔵庫と言えます。
鳥越先生は、現代の子どもの読書と教育をもっと豊かなものにしたいと願っておられましたが、子読教の活動37年を経ても、良くなったようには思われません。反対に、憂うべき方向に加速度化していっています。子読教の活動は、今回をもって終わりとなりますが、おとなである私たちの「未来に生きる子どもたち」のための役割は終わったわけではありません。
どうぞ、身近なところで、まわりにいる子どもたちと、絵本や本を一緒に読む場所や時間を作ってください。図書館でも良いし、公民館でもいいし、あなたの家でもいい。
ユリ-・シュルヴィッツのお父さんが、地図を買ってきて、少年のユリーに与えたように、子どもたちに、今生きている場所(現実)だけではなく、翼を持って飛んでいける広い世界の存在を教えてあげて下さい。また、自分の足で立って、自分の頭で考えて、生きて行ける人に育ててあげて下さい。また、困難なことにぶつかったとき、志を同じくする人たちと手をつなげる人にしてあげて下さい。
私自身、鳥越先生が亡くなられた年齢を超えたところです。でも、この世界の中に子どもたちを置いたまま、人生を終えるわけには行かないような気がします。もうしばらく時間が欲しいです。もっと考えて、調べて、研究して、纏めていきたいと願っています。
今は、戦時中の絵本の研究に集中しています。絵本に関しては、大阪国際児童文学館の資料が役に立ちます。その時代についての本(戦争、社会、歴史、文化、教育、子ども、ジェンダー等)を勉強中です。
憲法の改正を大声で言っている政治家たちがいるために、改憲が俎の上にあがるのは、時間の問題でしょう。そのために、「戦争中の絵本」についてのしっかりした本を早く書き上げたいと思っています。書き上げたら、読んでください。お願いします。
最後に、
これまで、子読教を牽引してきてくださった運営委員のみなさまに、私からも大きな感謝を捧げたいと思います。これだけの会(ほんのこの間までは、泊まりがけの勉強会でした)をよくぞここまで頑張ってしてくださったと思います。
本当にありがとうございました。
正置友子